リバウンドリスク高↑炭水化物制限ダイエットの間違いと成功のコツ

ごはんを食べなければOK?知らないと怖い炭水化物ダイエットと糖質ダイエット

ごはんを抜けば痩せるは本当?

炭水化物抜きダイエットがとても人気な昨今のダイエット。
しかしダイエット中の人の話を色々聞いていると、どうもそれは違うんじゃないか?というような疑問を感じることがあります。

ご飯やパンは一切食べない、ご飯の代わりにジャガイモをマッシュして食べている、甘い物が好きだから炭水化物の代わりにケーキを食べている。。

炭水化物抜きダイエットと言うと、ご飯やパン、麺類を抜けば後は好きな物を食べて良い!みたいに考えている人が多い様な気がしますが、これは間違い。
好きな物を食べて良いということは、好きなだけ暴飲暴食しても良いということとは違います。
ダイエットに効果的な炭水化物抜きは、やり方を間違えると健康面に様々な影響をきたし、太りやすい体質になるばかりでなく、体臭がきつくなったり様々なデメリットが生じてきます。

また、糖尿病の人が行っている糖質制限ダイエット。
炭水化物抜きダイエットに似ていますが、この二つのダイエット方法に違いはあるのでしょうか?

今回は炭水化物抜きダイエットと糖質制限ダイエットについてご紹介します。

 

糖質ダイエットと炭水化物ダイエットの違いって何?

炭水化物は太る!というのはもう常識という感じですよね。
ご飯やパン、麺類など主食を食べないようにする…これがよく実践されているダイエット方法かと思います。
しかし、この方法にはちょっと注意が必要です。

まず、炭水化物抜きダイエットと糖質制限ダイエットの違いですが、大体同じような事です。

炭水化物とは、「糖質+食物繊維」のこと。
炭水化物の中に糖質も含まれるんですね。

炭水化物抜きダイエット,糖質ダイエット,違い

食物繊維は含まれていてもごく少量の場合が多いので、食品の成分表示にある炭水化物はほぼ糖質と考えても良いと思います。
成分表示に炭水化物が無く、糖質があるときは、同時に食物繊維の表示もあるはずです。
成分表示に炭水化物の表示が無くても、糖質の表示があるときは炭水化物を摂取しているという事になります。

このように、糖質を制限することは、炭水化物を制限することになります。
炭水化物ダイエットと糖質ダイエットはほぼ同じようなダイエット方法と言えるでしょう。

 

炭水化物を一切取らないというのは間違った方法

炭水化物を抜くと見る見る痩せていく。
何故痩せるのかを理解されているでしょうか?

本来、炭水化物(糖質)を制限するダイエット方法は、糖尿病患者の為に考えられたものであり、健康な人へ向けた方法ではありませんでした。
若い人に多いのですが、健康な人が炭水化物を一切摂らないという食生活をする事はとても危険なんです。

まず、炭水化物抜きダイエットや糖質制限ダイエットは、炭水化物を完全に抜くということではなく正しくは『制限する』ということです。

 

炭水化物は何故太る?

糖質の種類

まず、炭水化物は糖質と食物繊維のことです。

食物繊維はダイエットに良いとされていますね。
それは、私たちの体は食物繊維を吸収できないからです。
吸収できないから食べてもそのまま排出されます。
満腹感は得られるし、無駄なエネルギーを摂取せずに済む、便を増やし柔らかくしてくれるのでお通じも良くなる。
このような理由から食物繊維はダイエットに良いと言われています。

では、本題の糖質ですが、太る原因はこの糖質の性質あると言えます。
糖質は【糖類】と【少糖類】と【多糖類】とがあります。

炭水化物抜きダイエット,糖質ダイエット,違い

糖類には[単糖類]と[二糖類]があります。
単糖類は果糖やブドウ糖など。
二糖類は単糖類が2つ結合したものでお砂糖や牛乳など私たちが大好きな甘いものです。
(単糖類が2つ結合すると二糖類、3つ結合すると三糖類…となります)

少糖類は単糖類が少数結合したもので、単糖類・二糖類より少しだけカロリーの低いものです。
甘さ控えめのジュースなどに使われています。

多糖類は単糖類が多数結合したもの、でんぷんです。
ご飯やパン、麺類やイモ類などの主食と呼ばれるものがこれに当たります。

 

糖質は分解されてから吸収される

摂取されたこれらの糖質は、単糖類(ブドウ糖)になるまで分解されてから、私たちの体に吸収されます。
吸収されたブドウ糖は血液で全身に運ばれ、エネルギーとなります。
よく聞く血糖値が上がるというのは、このような血液中に糖の量が増えていることを言います。

単糖類は分解する必要がありませんから、エネルギーとしてすぐに体に吸収されます。
少糖類や多糖類は、単糖類になるまで分解しなければならないので吸収されるまでに時間がかかります。
要するに、単糖類よりも多糖類の方が血糖値の上昇が緩やかで太りにくいということになります。

血糖値の上昇率を数値で表したものをグリセミック指数(GI値)と言います。
GI値が低いものほど太りにくいのはこのためです。

 

必要以上に摂取されたブドウ糖はどうなるか

摂取されたブドウ糖は血液にのって全身を巡り、エネルギーとなって消費されていきますが、摂取したものが全て使われてしまうわけではありません。

必要以上に摂取された余分なブドウ糖は、血液の中をずっと漂っている訳ではなく、一時的に「グリコーゲン」として体に蓄えられます。
グリコーゲンは筋肉、肝臓などに多く含まれていて、使いたい時にすぐブドウ糖に戻ります。

しかし、グリコーゲンを蓄える量にも制限があります。
更に余った使い道のないブドウ糖はなんと体脂肪として蓄えられます。
グリコーゲンの一時的な貯蔵と違い、体脂肪は長期貯蔵されてしまう、要するに一度に必要以上の食事をして糖質を摂取しすぎる事と、急激な血糖値上昇は、同時に体脂肪の蓄積の促進に繋がるということです。
炭水化物が太るといわれる理由はこれです。
太る原因は、炭水化物そのものにあるのではなく、炭水化物の摂り過ぎが原因なわけです。

 

炭水化物を抜くのがいけない理由は?

炭水化物(糖質)の摂り過ぎで太るのだから、やっぱり全面的に炭水化物を抜けば良いんじゃないか?と思われがちですが、炭水化物を極度に制限することで糖質が不足すると大変な事態になるんです。

脳を働かせるにはブドウ糖が必要

私たち人が生きる為には糖類に含まれているブドウ糖が必要です。
さらに脳を働かせるのに必要なエネルギーを補えるのはブドウ糖だけです。

炭水化物(糖質)を抜くとブドウ糖が不足してきますね。
ブドウ糖無しでは脳が働くことが出来ませんから、それを補うために体に蓄えてあるタンパク質を分解してブドウ糖を作りだそうとします。
そうです、筋肉が減ってしまうんです。

 

筋肉が減るから見る見る痩せる

普段運動不足で筋肉を使わない生活をしている人が炭水化物を一切摂らない食生活を始めるとどうなるか…。
ブドウ糖を補うためにタンパク質がどんどん使われます。
筋肉が減りますから、見る見る痩せていきます。

 

筋肉の無いスカスカな体は膨らみやすい

重たい筋肉が減り体重が軽くなりますから、痩せた!と思われるのですが、萎んだとい言う方が正しいでしょう。

筋肉が失われた体はスカスカな状態。
例えるなら、水を含んでいないスポンジです。
カラカラに乾いたスポンジを水につけると、見る見るうちに水を吸って膨らみますよね?
これが私たちの体にも起こる事、所謂リバウンドです。

また、代謝を良くするためには筋肉が必要ということも常識ですよね。
筋肉が落ちると代謝が悪くなり痩せにくい体になります。

痩せにくくリバウンドしやすい体質…最悪の結果ですね。

 

糖が不足してイライラが増す

ブドウ糖が不足すると脳がブドウ糖を摂ろうと指令を出します。
ダイエット中によくイライラしたりする原因のひとつです。
また、空腹感は胃が空っぽなのではなく、脳のエネルギーとなるブドウ糖が不足している事が原因とも考えられています。

ダイエットが失敗する人は意志が弱いなんて言われますが、脳が出している欲求はそう簡単に打ち破れるものではありません。
甘い物が食べたくて仕方が無くなり、我慢していた反動で過食をしてしまうと、スカスカな体は一気に膨らんでしまいます。

 

体臭や口臭がきつくなる

糖質不足を補うために筋肉のエネルギーが消費されていきます。
筋肉からエネルギーが得られなくなると、ようやく脂肪が使われ始めるわけですが、この脂肪を分解するときに“ケトン臭”というものが発生します。

脂肪の分解が緩やかであればこの臭いは問題ないのですが、炭水化物を一切摂らないなどして極端な糖質不足に陥ると、脂肪の分解も過度になり、臭いが気になってしまうのです。

ケント臭はワキガのような臭い、酸っぱい臭いなどと言われ、他人からするとかなりキツイ臭いのようです。

 

糖の摂取量と血糖値の上昇を気をつけるのが正解

炭水化物が何故太ると言われるのか、炭水化物を抜くと何故痩せるのか、炭水化物を抜くことでどのようなデメリットがあるかはおわかりいただけたでしょうか?

炭水化物抜きダイエットを正しく行うために大切なことは3つです。

  1. 「グリコーゲン」の貯蔵量を超えて糖質を摂取しない事
  2. 血糖値の上昇をできるだけ穏やかにする事
  3. 適度に体を動かし、筋肉の低下を防ぐ事

この3つです。

ご飯は毎食100~150g(お茶碗に軽く一膳)は摂るようにしましょう。
おかずでイモ類を摂るときはご飯を抜くか通常より少なめにします。

一度にたくさん食べるのではなく、1日の食べる量はそのままで回数だけ増やす方が良いです。
小分けに食べることで、余分な糖質の蓄積を防ぐことができます。

運動が嫌いだからと言って全く体を動かさない生活は炭水化物ダイエットに関わらず宜しくない事です。
毎日の通勤を早足にする、マンションのエレベーターを使うのを辞めるなどして動く場面を作るようにしましょう。

血糖値が急激に上がるお砂糖たっぷりのお菓子でお腹を満たすのは辞めましょう。
GI値を調べて、数値の低い物から順番に食べていきましょう。
さらに糖質を摂る前に食物繊維を食べておくと、血糖値の急激な上昇を防ぐことが出来ます。

 

食事を抜くダイエットは正しい方法で、栄養を保ちつつ!

ダイエットは地道な努力が必要ですが、どうしても短期間で痩せなくてはならない時は、「炭水化物を抜く!」ではなくプチ断食を正しく行う方が良いです。

炭水化物抜きダイエットは、主食を抜くわけですから当然1度の食事に物足りなさを感じます。
腹八分目を知らず、好きなだけ食べていた人なら尚更。
物足りない分をコレステロールの高い揚げ物やお肉で満たしていては健康に悪いですよね。
お腹いっぱい食べたい!でも痩せたい!しかも早く痩せたい!
このような理由から炭水化物抜きを始める人が多いですが、ダイエットは継続的に行うことが大切ですし、バランスよく何でも食べ、腹八分目で抑えることが成功の秘訣です。

それでもどうしても短期間で体重を落としたいのなら、炭水化物だけを抜くのではなく、大胆に1食丸っと抜いてみてください。
断食です。
置き換えダイエットやファスティングダイエットと言われていますが、断食は内臓を休め、お腹の中に残っているものを排泄(デトックス)してくれます。
便秘の人はとくに、お腹に老廃物が残っているせいでポッコリお腹になっていることもありますからね。

お腹いっぱい食べなくては満足できない人は、空腹感に慣れていないのです。
初めはちょっと辛いかもしれませんが、1度食事をすることを我慢して空腹になってみましょう。
早い人ならその日中、遅くても2、3日で空腹って大したことないなと思えてくるはずです。

食事を抜くのは丸1日水分(甘いものや高カロリーな飲み物は×)摂取のみで過ごすのが一般的ですが、それは流石に辛いという人は、毎日夜が抜くのがおすすめです。
夜は寝るだけですし、脂肪を蓄えるホルモンが増える時間帯なので、朝昼は食事を摂り、夜を我慢します。
水分は摂ってください。

朝昼の食事では栄養不足が気になる人は、サプリメントや栄養ドリンクで補いましょう。
食物繊維と天然素材が豊富に含まれていて、デトックス作用の高い酵素ドリンクでの置き換えもポピュラーな断食方法です。

酵素ドリンクダイエットについてはこちらを参考にしてください。
>>酵素ダイエットに挑戦!置き換えダイエットの効果は?

 

若いから平気なだけかも…

それでもやっぱり、見た目が痩せればそれでいい!
炭水化物は摂りたくない!という人もいるかもしれません。
しかし、今は平気でも後々、免疫力が低下して病気をしやすくなったり、骨がスカスカになってちょっと転んだだけで骨を折ってしまったりという虚弱な体質になってしまうかもしれません。

年齢が高い人や、それほど太っていない普通体型や痩せ形の人が極度に炭水化物を制限することはとくに危険です。

先にも触れましたが、この炭水化物抜きダイエットは糖尿病の人や過度に肥満な人が行うダイエットです。
普通体型の人は通常の食事で必要な糖質と消費とが釣り合っているのです。
太っている人は糖質の摂り過ぎの可能性が有りますから、このダイエットが効果的なのです。

 

おわりに

炭水化物抜きダイエットをしている人の中には、お腹いっぱい食べたいけれど、痩せたいという人がいますね。
主食を抜けば、好きな物を食べて良い!
こってりしたお肉料理や、揚げ物、甘いお菓子、味の濃い調味料…。
ご飯や麺類を抜いていたとしても、このような高カロリーなものをお腹いっぱいに食べていてはコレステロールが溜まって血液もドロドロになります。
食事は“抜く”ではなくて、上手に“制限をする”のが大切です。
色々な食材をバランス良く、太りやすい物は少量に…何事も適度に付き合っていくことが成功の秘訣です。
お腹を満たす為、ストレスを解消させる為、意欲が食にばかり向かってしまう、そんな食習慣を改めてみると、ダイエットの辛さも軽くなるはずです。

痩せている人が多いフランス人の食事のあり方を見ると、普段日本人によく見かける食事の仕方とはかなり違うことがわかります。
フランス人ってどうしてあんなに細いの!?フレンチガールから学ぶダイエット術
よかったら、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

Photo by cookbookman17







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